特に目的もなくタジキスタン行ってしまった
2004年冬、カザフスタンに行ったついでに中央アジア諸国を旅したいと思った。
トルクメニスタンは執念でトランジットビザを取得し入国できることになっていたが、もう一つ気になる国があった。
それがタジキスタンである。
独立後に発生した内戦の影響もあって当時の「地球の歩き方」にはタジキスタンの観光情報は何も掲載されていなかった。
だが、ビザも簡単にとれるみたいだし、そんなに治安も悪いという話を聞かなかったので、思い切って首都ドゥシャンベ行きの航空券を購入したのである。
こうして特に目的もなくタジキスタンに行くことになった。
特に見どころのない首都
ドゥシャンベには深夜3時頃到着した。
到着する時間がクレイジーである。
良い子はマネしてはいけない旅程だ。
予想通り空港の中はほぼ何もないといっても過言ではないくらい寂しいところで、外は寒いし休む場所もなく途方に暮れてしまった。
やむを得ず怪しげなタクシーのおじさんについて行き、ホテルまで行ってもらうように頼んだ。
ドゥシャンベの夜の街は誰一人歩いていなかった。
そんな中でタクシーのおっさんは自分の家に来いとしつこく迫ってくる。
若干恐怖を感じたので、おっさんを無視してホテルに行くように指示した。
ホテルには無事到着したがかなりボロい(写真参照)。
前途多難なタジキスタン旅行はこうして始まった。
なんだかたいそうな旅行記が始まりそうな感じになってしまったが、首都のドゥシャンベは特に見どころもなく、のんびり過ごして3泊4日の旅は終わった。
中央アジア最貧国といわれるように、老朽化した建物が多く30年前の世界に迷い込んだような印象が残っている。
これはドゥシャンベのシンボル?であるイスモイル・ソモニ像である。
通貨単位にもなっているソモニはこの人に由来する。
映画館に掲示してある右下のポスターが今世紀のものとは思えない。
市内のバザール。スーパーマーケットなどない。
郊外の観光名所ヒッサール要塞。最近は当時よりもきれいになっているようだ。
当時は動物もいてのどかな雰囲気であった。
特に何もなかったタジキスタンだが不思議とまた行ってみたい気がする。
中央アジアは病みつきになるのだ。
素敵なタジク土産
せっかく地の果てみたいな国に来たのだから何か思い出の品を買って帰りたいと思うのが自然だが、土産らしいものがないのがこの国の特徴である。
国営の百貨店は店内の電気が点いておらず陰鬱な雰囲気が漂っていた。
百貨店にはこれといって欲しいものはなかったのだが、近くの本屋に行くと面白いものを発見した。
タジキスタン独立10年とか書いてある写真集だ。
ラフモン大統領の写真が盛りだくさん。
家族の写真まで載っている。
公私混同も甚だしい。
独裁気味の国家ではこのような写真集が売っていることが多いのでつい購入したくなる。
色褪せたような写真がたくさん掲載されている写真集はタジキスタン旅行の思い出の一品になったのである。
タジク語入門を学習し終えたら、タジキスタン旅行を検討してみようと思う。