日々悪化するウイグル問題
2013年に中国の新疆ウイグル自治区を数日間旅した。
最近ではウイグル人への人権弾圧などが報道されており、中国国内でも非常にデリケートな地域だ。
街中に監視カメラが設置されているという情報もある。
私が旅した頃も、自爆テロのような事件があったりして行こうかやめようか迷ったが、現在ほどの緊張感はなかっただろう。
新型コロナウイルスが収まってもなかなか自由に旅行ができない地域になっている可能性も十分ある。
宗教の自由も奪われているらしい
報道などによると、モスクなどはカフェや博物館など別の施設にされているという。
私はクチャという街を拠点にして旅行したが、ここには庫車(クチャ)大寺というカラフルな木造の柱が印象的なモスクがある。
絨毯が敷き詰められた空間であったが、誰もいない。
気付かないだけで、当時からなんらかの宗教的なものの制限が始まっていたのかもしれない。
街の様子など
散歩をしてみても他の中国の地域とは違った雰囲気を味わうことができる。
家屋の造りも特徴的だ。
中心部の路上では屋台なども出ていてにぎやかであった。
人々の顔つきや服装もやはり漢民族とはかなり違っている。
夏場はスイカやメロンが大量に並んでいる。
楕円形なのが日本と大きく違うところだ。
何度か食べたが水分が多く、乾燥したこの土地で行動する際にはありがたい食べ物だった。
道路わきには大きな木が並んでいるのがオアシス都市らしさを感じる。
こんな風景をよく目にした。
広大な沙漠と仏教遺跡
郊外に行くと、乾燥した大地が広がっていた。
山はごつごつした岩だけで植物は生えていない。
こんな風景が何百キロも続く。
そんな沙漠地帯に仏教関連の遺跡が点在している。
近くには烽火を上げるための塔のようなものもあった。
とにかく広い。
トルファンという街の近くには古代に栄えた高昌国の城跡も残っている。
小学校か中学校の時に国語の教科書でここが登場した記憶がある。
なんの話かはまったく覚えていない。
広くてとにかく暑いので、歩いて廻るのはかなりきつい。
そんなこともありロバに連れて行ってもらった。
観光がおわったら、新疆名物のブドウで一休み。
寒暖差が激しいためか、美味しいブドウが採れるらしい。
お土産に個包装の干しブドウを買って帰国したが、袋の中で何かの幼虫が蠢いていたのは楽しい思い出だ。
いつかまた行きたいと思っていたが、今度行ける頃には当時とはまったく違う風景になっているかもしれない。
この時の旅行では事前にウイグル語を勉強して行ったこともあり、現地の人たちの交流も思い出深い。
彼らが無事に生活できていることを祈りたい。