中央アジアファン待望の一冊
これまで中央アジア5か国の公用語のうち、カザフ語、キルギス語、ウズベク語、タジク語に関する書籍は出版されていたが、2021年ついにトルクメン語の書籍が出版された。
この本が出ると聞いてすぐにAmazonで注文し、無事入手することができた。
届いた本は全部で86ページほどで、やや厚めのブックレットといった印象。
一般的な感覚からすると、このページ数で税込1,980円は高いと感じるだろうが、貴重なトルクメン語の本なので許容範囲だろう。
一読した感想
この本は、文法書ではないのでトルクメン語の仕組みを学んだりすることはできないが、現地に行って使えるようなフレーズを知ることができる。
私は当分の間トルクメニスタンに行く予定はないが、過去にトランジットビザで滞在した3日間を思い出しながら、楽しむことができた。
なによりトルクメニスタン滞在経験のある専門家によって書かれた会話帳なので、内容の信頼度も高い。
たまに素人の書いた語学書なんかも見られるが、この本はそういうものではない。
また、86ページ中15,6ページほど著者のコラムに割いているのも飽きずに読めるポイントなのだろう。
トルクメニスタンは謎の国なので、現地の文化など、あまり知られていないような情報が書かれたコラムを読めるだけで充分価値があるような気がしている。
テュルク系言語を学びたい
中央アジアやコーカサスなどの地域に関心があれば、この地域に多くの話者がいるテュルク系の言語にも興味が湧いてくるものだ。
私もアルマトイでカザフ語の本、バクーでアゼルバイジャン語の入門書を買ったりしたものだが、やはり日本語の教科書があれば便利だ。
とはいえ、この地域で話される言語の語学書は専門的過ぎたり、音声教材がなかったり、高価であったりと学習環境は必ずしも良いとは言えない。
さらなる語学書の出版にも期待したいが、とりあえずは教材が豊富なトルコ語をある程度学習してからウズベク語やアゼルバイジャン語を眺めてみるのが理解する近道なのだろうか。
そうすれば、「トルクメン語会話帳」を眺めてトルコ語と比較したりする楽しみも増えるかもしれない。
いつか中央アジアの言語を駆使して現地でプロフやラグマンを食べに行きたいものである。