「緑色の看板」の街を見学
日本で調べ物をしているときに北京には牛街というイスラム教徒が多く住む地域があることを知った。
イスラム圏を旅行することが多かったこともあって、なんとなく行ってみたいなと思っていたこともあり北京滞在中に訪れてみた。
牛街は地下鉄7号線の広安門内駅から歩いて10分くらいのところにある。
その最寄り駅の広安門駅構内の壁にはムスリムっぽい装飾が施されていた。
メインストリートには飲食店などが多いのだが、トルファンや新疆など西の方の地名が書かれた緑色の看板が多かった。
緑色はイスラムのシンボルカラーでもあるので、ここがイスラムの街だということがよく実感できる。
牛街の中心部付近にはよりローカルな肉屋や新疆の物産を取り扱う商店などもある。
羊肉が店頭に並んでおり、北京の他の地域とは全く違う光景が広がっていて、非常に面白い。
ここで買った新疆名産のザクロのジュース(5元)はあまりおいしくなかったが、クミンなどの香辛料の香りがして、シルクロードの世界に入ったようだった。
はずれの住宅街へ
牛街の東端には中国風の石造りの住宅街が広がっている。
観光客が行くようなエリアではなさそうだが、面白そうなので散策してみた。
残念ながらこの辺りではイスラムを感じるものはあまりなかった。
1軒の住宅の扉にアラビア文字のシールが貼られていたが、それくらいであった。
イスラム教の施設はあるのか
牛街にはモスクがあると後で知ったが、散歩したときは見つけられなかった。
モスク風の建物を見つけたのだが、ここは中国イスラム教協会らしい。
ここの敷地内でイスラム教徒がかぶる白い帽子をしたままバスケットボールを楽しんでいる人たちを見かけた。
この近くに美味しそうなにおいのする飲食店があった。
客もそこそこ入っていておいしそうだったが、散歩の途中だったので入らなかった。
後で行った店の料理がいまひとつだったので、ここに行けばよかったと後悔している。
牛街では公園にもモスク風の建物が建っていたりして、イスラムの雰囲気を出そうとしているのはわかるのだが、やや人工的で味気ない感じがした。
看板などでウイグルの地名を見ることはあっても、ウイグル人のような顔つきの人はほとんど見ることがなかった。
そもそも見た目でムスリムかどうかわかる人はほとんどいない。
肉屋やレストランなどで白い帽子をかぶっている男性はいるのだが、街を歩く人は見分けがつかない。
私が入ったレストランも羊肉の料理がほとんどなかったりするので、牛街で本物のムスリムの店を探すのは意外と大変なのかもしれない。
やや不完全燃焼で牛街の散歩が終わってしまった。
中国では蘭州ラーメンが大人気
牛街でおいしい料理にありつけなかったわけだが、そのリベンジということもあり別の場所でムスリム料理を食べることにした。
今、中国では蘭州ラーメンがブームなのかどこへ行っても「兰州」という文字が入った看板を見かける。
売れるからという理由で素人が店を出している可能性もあるので、せめてムスリムが料理してそうな店に行ってみることにした。
まずは北京中心部の王府井の近くで髪の毛をスカーフで隠している女性が注文を取っている店があったので、そこに入ってみた。
注文したのは新疆料理の大盆鶏(ダーパンヂー)。
八角や花椒などのスパイスが効いた炒め物とコシのある麺がマッチしていて絶妙だ。
すっかり中国のムスリム料理にハマってしまったので、北京最終日の夕食も蘭州ラーメンになってしまった。
スマホの地図アプリであまり評価が低くなさそうな店を探して注文したラーメンがこちら。
こちらもシンプルだが美味しい蘭州ラーメンであった。
日本でも蘭州ラーメンの店が増えているようだが、自宅近くにはまだ存在しないので、東京に行ったら食べに行きたいところだ。