旅の思い出になる紙幣
海外へ行ったら、私はその国の紙幣を記念に持ち帰っている。
これまで旅した国は20か国以上になるので、コレクションも増えてきた。
紙幣はその国の言語や文化を感じることができるので、見返してみると非常に面白い。
旅の思い出もよみがえってくるので、自分へのお土産としておすすめだ。
例えば、セルビアの紙幣はキリル文字とラテン文字が併記されていて外国語好きにはたまらないデザインだ。
中国元も裏にいろいろな言語で書かれていて興味深いが、日本から近い国なのであまりレアな感じがしない。
アラビア数字の不思議
我々が普段「アラビア数字」というと1、2,3などの算用数字のことを指すが、アラビア文字を使用する地域では少し違った数字を使用している。
下の写真はイラクとイランの紙幣で、上から10,000リヤル札、5,000リヤル札(ともにイラン)、25ディナール札(イラク)である。
25という数字は知らない人が初めて見たらいくらかわからないかもしれない。
そのくらい算用数字と形が違っている。
はじめに「旅の思い出」と言ったが、私はイラクには渡航していない。
私が持っている紙幣はフセイン政権末期に隣のイランに3週間ほど旅行に行き、市場でお土産として売られていたものを購入したものだ。
確か2~3米ドルくらいで売っていたと思う。
独裁者の国は自分の肖像画を紙幣のデザインにする傾向があるようだ。
イラクのフセイン大統領の他に私が持っているのはトルクメニスタンのニヤゾフ大統領の紙幣。
トルクメニスタンは「中央アジアの北朝鮮」といわれる奇妙な国で、入国するのに非常に苦労した。
ニヤゾフ大統領は既に死んでしまったが、今も紙幣のデザインは変わっていないのだろうか。
ベネズエラでハイパーインフレと聞いて
イランでもトルクメニスタンでも両替をするとものすごい札束を渡されて、金持ちになった気がする。
最高額紙幣が日本円で100円前後だからやむを得ないが、要はインフレなのだ。
最近、ベネズエラのハイパーインフレのニュースをよく耳にする。
ハイパーインフレとは簡単にいうと通貨が信用を失うことで物価がものすごく上昇し、日用品でさえものすごい単位の金額になってしまうような現象だ。
日本でいえば、マクドナルドのハンバーガー1個100万円、豚肉200グラムで350万円といった調子だ。
これだとパソコン1台8億円、家1件3,000億円、宝くじ1等前後賞合わせて3兆円など数字が増えてややこしい。
そうした状態が続いた国は高額の紙幣を発行することがある。
私が2004年にトルコに行った際も、約100円が1,000,000トルコリラに相当した。
下の写真が記念に持ち帰った紙幣だ。
当時は20,000,000トルコリラ紙幣まであったらしい。
しかし2005年に一般にデノミと呼ばれる通貨単位の変更がなされ、1,000,000トルコリラは1新トルコリラになった。
旅行の時期が少し遅れていたらこの紙幣と出会うことはなかったかもしれない。
時代が変わると紙幣も変わる、そういう意味でも外国紙幣は旅の思い出になるだろう。
しかしトルコリラを超える紙幣があった。
これはマレーシア旅行中に入手したジンバブエの通貨だが、何と額面50兆ドルである。
ジンバブエは実際に行ったことがない国だが、これほど貴重なものはないと思い、即購入した(日本円換算数百円で)。
なので私は50兆のカネを持っている、ということになる。
ちなみに100兆ジンバブエドル紙幣も存在するらしい。