何の役に立つの?
英語以外の言語を複数学習していると、必ずといっていいほど言われるのが「そんな言葉勉強して何の役に立つの?」いうセリフだ。
こちらは趣味でやっているので大きなお世話だが、いろいろな言語をかじってみて大した上達もしなくてもメリットを感じることはある。
そのうちの一つとして嘘を見破ることができるということだ。
詐欺的な商材
世の中は結構いい加減な人たちが多く、またそういう人たちがいい加減なことを言っていてもすんなり受け入れている人が多いものだ。
近年はSNSが普及したこともあり、小規模な会社の広告を目にする機会も昔よりも多くなっているだろう。
私もTwitterやInstagram、YouTubeなどをよく使っているが、ユーザーの興味に合わせて広告が表示されるので、つい見てしまうことも少なくない。
ただ、こうした広告の中には胡散臭いものがかなりあるというのが率直な感想だ。
最近、目にしたのは「オランダの英語教育レベルがとても高い」というところから教材販売につながる広告だ。
オランダ語の文法を少しかじっただけの私からしても、もはやお笑いレベルの内容なのだが、オランダ語を知らない人は騙されてしまうのだろう。
そもそもオランダ語は英語と共通の祖先を持つ言語であり、「日本語と韓国語が似てる」という水準をはるかに超えて似ている部分が多い。
オランダ語話者が英語を習得するのは、日本語話者が英語を習得するのに比べ難易度が低いのだ。
「オランダの教育を参考にした教材」を日本語話者向けに取り入れても同じような効果が出るかといえば、明らかにノーだろう。
そもそも本当にオランダの英語教育を参考にしているのかも疑わしい。
ちなみにオランダ語と英語がどれだけ近いかは初歩的な文法を見てもわかるので、ニューエクスプレスもいいけど、文法が詳しいこの本がおすすめだ。
英語脳という嘘
消費者に効果を誤認させるような商売に関わっているのは中小企業だけではない。
子どもができたばかりの友人からこんな話を聞いたことがある。
「0歳のうちから英語に触れていないと英語脳ができなくなる」というセールス文句で奥さんがその気になってしまい、100万円くらいの教材を契約しそうになった、と。
その教材とは世界中で親しまれるネズミのキャラクターの教材だったと。
少し調べたらわかるのだが、「英語脳」というものは特に定義もなく、科学的に何ら証明されているわけでもない。
誰かの創作か思い込み、もしくは何となく使われている言葉に過ぎない。
そもそも不安を煽って物を売ろうとするのは大体詐欺だ。
両親が英語を話せないのに、教材だけで0歳児が英語を身に着けるなんてそんなうまい話はない。
金融や美容と同様、英語教材には詐欺的な商材が多いと感じており、このブログを読んだ人は詐欺撲滅のために周囲に注意喚起していただきたいものだ。