15年ぶりのカザフスタン
ジョージアのトビリシから次の目的地・北京行きの航空券は、カザフスタンのアルマトイ経由の日程になっていた。
アルマトイには早朝6時ごろ到着、夜10時過ぎに出発なので、日中はアルマトイを散歩することにした。
カザフスタンを訪れるのは15年ぶりなので街の様子がどれだけ変わったか楽しみである。
で、到着したらいきなり空港の様子がぜんぜん変わっていなくて拍子抜けしてしまった。
カザフ国立大学(КазНУ)へ行ってみた
私はかつてアルマトイにあるカザフ国立大学(アルファラビ名称カザフ国立大学)でロシア語の授業を受けていたこともあり、まずは懐かしい大学の様子を見に行くことにした。
最近はこの大学と提携する日本の大学も増えているようで、交換留学なども可能らしい。
日本にいては(他の先進国でも)できない体験をいろいろできるので、若い人にはぜひ積極的に行ってもらいたいものである。
現地では旧名称の「カザフ民族大学(КазГУ)」の方が通じていたが、今はどうなのかはわからない。
まずは当時は存在しなかった門と、本部のある高いビル。
昔からある建物はやはり時代を感じる。
本部の建物も相当古いはず。
カザフスタンは「2019」とか年号を掲示することが多い印象。
キャンパス内は自然が多くて結構広かったりする。
気付けば1時間近く歩いていた。
当時住んでいた学生寮は確か年間30ドルで入れた。
今はどうなんだろう?
ペンキ塗りたてなのか色鮮やかになってはいるが、建物は当時と変わらない。
きっと中もボロいままだろう。
カザフ国立大学は腐敗していないそうだ。
わざわざ看板を作っているということは、学位を買ったりできるのかもしれない。
ロープウェイでアルマトイの街を一望(できない)
次に向かったのはコクトベという市内を一望できる展望台である。
ここへは地下鉄アバイ駅近くのロープウェイに乗って行くことができる。
意外と距離も高さもあってテンションが上がるが、客はほとんどいない。
展望台から見るアルマトイの景色は…
残念ながらスモッグがかかってよく見えなかった。
後ろに見える天山山脈も同じくきれいには見えない。
アルマトイはこの後に滞在した北京よりも空気が悪いように感じた。
頂上駅付近は遊園地のようになっていて、さまざまなアトラクションがあるのだが、誰一人利用していなかった。
まだ肌寒い(朝はかなり寒い)季節のせいかコクトベは閑散としていて寂しい場所であった。
きっと夏はもう少し活気があるのだろう。
しかしこの分だと景色は楽しめなさそうなので、今後はアルマトイ市内の空気をもっと浄化してもらいたいところだ。
定番の観光スポットをめぐる
隣国のウズベキスタンと違い、観光資源があまりないカザフスタン。
その中でもアルマトイは世界遺産など多くの人が知るような観光スポットは存在しない。
それでも何となく「観光するならここ」という場所はいくつかあるので紹介したい。
まずはゼンコフ正教教会。
この日は工事中で中に入れなかった。
教会があるのはパンフィロフ戦士公園というところで、ソ連的なモニュメントを見ることができる。
中央バザールは月曜なので休みだった。
最近は内部撮影禁止らしい(昔は撮れた)。
ジベック・ジョル大通りはアルマトイで一番の繁華街。
ソ連時代からあるツム百貨店も健在だ。
以上のスポットは割と狭いエリアに集中しているので、アルマトイ観光は短時間で済んでしまうだろう。
私は住んでいたので懐かしくて色々な場所に行ったが、正直言って観光するならこの辺りだけで十分な気がする。
少し離れたところに国立博物館もあるが、あまりおもしろくはない。
入口付近にカザフ名物「黄金人間」が展示してあるのだが、それもレプリカである。
わざわざここまで行く必要はないだろう。
15年間で何が変わったか?
1日しか滞在していないので、判断が難しいところだが、街の雰囲気は大きく変わってはいなかったように感じた。
街路樹が多かったり、ソ連時代の建物も当時のままのものがほとんどだ。
変わったところといえば、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、バーガーキングなどのファーストフード店ができたことや、地下鉄ができたところだろうか。
地下歩道の中の小さな店や、ジベック・ジョル大通りの露店がなくなっていたのも気になった。
かつてたくさんの商店が入っていて賑わっていた地下歩道には、代わりに現代アートっぽい絵が描かれていた。
こちらはデニス・テンだろうか?
また、街で見かける看板などにカザフ語表記が多くなったようにも感じる。
この国は緩やかに脱ロシア化、民族主義の道へ向かっているのだろうか?
ところで中央アジアの国は同じ人物が長く政権を握ることが多い。
トルクメニスタンのニヤゾフ、タジキスタンのラフモン、ウズベキスタンのカリモフなどは独裁者とも言われていた。
ここカザフスタンも同様でソ連崩壊から大統領はヌルスルタン・ナザルバエフのままであったが、ちょうどこれを書いているときにナザルバエフが引退するとのニュースが入ってきた。
引退しても実権を握り続けるような気もするし、そもそも引退を撤回するかもしれない。
親族にバトンタッチするのかもしれないが、そう簡単に権力を手放すことはないだろう。
街中に溢れるというほどではないにしろ、ナザルバエフが写った看板などは以前よりも若干増えたようにも感じる。
通りの名前も「ナザルバエフ通り」になっていたりするので、個人崇拝は強くなっているのは確かなようだ。
これからカザフスタンがどのような道を歩むのか注目していきたい。