美しい景色を見るための定番コース
当初は行く予定がなかったが、トビリシからコーカサス山脈を越えてロシアのウラジカフカスまで伸びる「グルジア軍用道路」をドライブすることになった。
泊まっていた宿に運転手が常駐しているのか、車のチャーターが簡単にできることが分かったので、楽して観光できそうな場所を探してみた結果、軍用道路を選んだのだ。
ここは古くからロシアとコーカサス地方を結ぶ戦略的に重要な道路として整備されてきたのだが、今は美しい景色を味わうことのできるジョージアの代表的な観光地となっている。
アナヌリ教会とパサナウリのヒンカリレストラン
朝10時ごろトビリシを出発して数十分、ムツヘタ付近から軍用道路に入った。
道路脇には集落や民家はほとんどないが、相変わらずホテルやレストランばかり目につく。
こんな公共交通機関で来れないような場所に宿泊する観光客がいるのかどうか不明だ。
出発してから40分ほどで最初に停車したのは人造湖が展望できる場所だった。
まあまあきれいな景色ではあるが、あくまでも人造湖。
向かい側の閉鎖されたトンネルの方が気になる。
やはり土砂崩れなどもあるのだろうか?
人造湖から10分ほどでアナヌリ教会に到着。
軍用道路のなかでも有名な観光スポットらしい。
壁に刻まれたジョージア文字が印象的。
内部は撮影禁止だったが、これまで見学したジョージアの教会と同じような構造だった。
アナヌリ教会の手前には大きな橋があり、ここを通って来たのだが歩道の継ぎ目に隙間が空いていて、実際に歩いてみると少し恐ろしい。
観光客が来る場所には必ずお土産や防寒グッズを販売する店が並んでいる。
アナヌリ教会のそばには軽食を販売する店もあり、近くではジョージア名物の犬が観光客が買うパンを虎視眈々と狙っていた。
アナヌリ教会から20分くらい走るとパサナウリという村の近くに到着した。
このあたりにあるレストランはヒンカリ(皮の厚い小籠包みたいな食べ物)が名物らしく、ドライバーが勧めるのでここで昼食を取った。
うっかり10個も注文してしまった上に、シャシリクという豚の串焼きも食べたのでお腹が苦しくなったが、ドライバー付きの旅なのでなんとか次に進むことができた。
(下の写真は別のレストランで撮ったヒンカリ)
周辺の景色もきれいだったので写真撮影。
スキー客であふれるリゾート地へ
パサナウリからロシア方面へ20分ほど走ると、周囲はすっかり雪景色になってしまった。
また、トラックの車列が延々と続いている。
よく見るとナンバープレートにはアルメニアの国旗が入っている車が多い。
アルメニアは国境を接するトルコ、アゼルバイジャンと国交がないためジョージア経由でロシアに向かうトラックが多いらしい。
軍用道路は現在ではアルメニアにとって重要な物流ルートになっているのだ。
30分ほど走るとグダウリという町に着いた。
ここはスキー場が有名で、まわりにはスキー客のためのホテルが建っていた。
ジョージア国内で見る他のホテルよりは新しそうな建物ばかりだ。
北国育ちの私にとってスキー場は珍しくもなんとも思わないのだが、ドライバーが車を止めたのでしばらくスキー場の側にいたのだが、ロシア語しか聞こえない。
ロシアと戦争をしたことで、脱ロシアを図っているにもかかわらず、この国は相変わらずロシアからの観光客の割合が多いという現実を目の当たりにした。
グダウリを抜けてさらに10分ほど走ると、展望台のような施設があった。
駐車場から歩いて向かったのだが、強風のため積もった雪(ほとんど氷)が顔に当たり非常に痛い。
なんとか展望台にたどり着くと、一面によくわからない旧ソ連的な絵が描かれていた。
まだまだ軍用道路は続くはずだが、ドライバーがここまでというのと、疲労感があったのでドライブはここで終了した。
北海道育ちの私からすると、大自然やスキー場は見慣れているので、できれば羊が道路を横切ったりする夏場に行った方が良かったと思う。
最後の展望台の地吹雪もひどかったので、やはりここに行くのは春以降にした方がいいのではないか。