アンダルシアを離れて首都へ
ロンダからバスでマラガへ移動し、翌朝の飛行機で首都マドリードに向かった。
グラナダやコルドバといったアンダルシア州のメインの観光地に行かずにマドリードに行くのには理由がある。
マドリードで開催されるサッカーのヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝トーナメント一回戦を観戦するためだ。
あらかじめチケットを確保していたので、アンダルシア観光を一時中断するような形にして、二日間はマドリード周辺で過ごす予定を組んでいた。
古都トレドを歩く
マドリードに到着して間も無く、電車で30分程の距離にあるトレドへ向かった。
ここは世界遺産にもなっていて、古いヨーロッパの街並みを見ることができる。
実際に行ってみると細い路地や古い教会など、それらしい雰囲気を感じることができる。
ただ、長く旅していると教会などはやや見飽きてくるもので、「まあ、こんなものか」という程度にしか感じなくなってしまっていた。
それでも川を挟んだ展望台から眺める旧市街はとても美しく感じた。
旧市街を一望できるスポットまでは30分以上歩くことになるのだが、それだけの価値はある。
さすがに少し疲れたので、のんびり景色を見てから、ゆっくりとマドリードへ戻るためバスターミナルへ向かった。
いよいよサッカー観戦
さて、いよいよこの旅のメインイベントであるサッカー観戦である。
マドリードといえばレアル・マドリードが有名だが、今回見に行くのはライバルチームのアトレチコ・マドリードとイタリアのユベントスの試合だ。
アトレチコは今シーズン、国内リーグでレアルよりも上位にいて好調、ユベントスにはあのクリスティアーノ・ロナウドがいる。
会場のワンダ・メトロポリターノは割と新しいスタジアムで、今シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝戦の会場に決まっている。
チケットは発売時間の直後にインターネットで購入したのだが、注目カードだけあってすぐに売り切れたようだ。
満員のスタジアムでとても盛り上がり、結果もホームのアトレチコが2-0で勝利。
得点シーンでは見知らぬおじさんと抱き合ったりしながら、非常に楽しい時間を過ごせた。
この試合の前にスタジアムの周りを歩いていると、なぜか記念撮影を頼まれることが多かった。
外国から見に来た人もいたが、地元マドリードの人にも声をかけられた。
おかげで、カタコトのスペイン語を実践する機会ができた。
面白かったのは、従兄弟同士で見に来ていたマドリード在住の若い2人で、片方は実はレアル・マドリードを応援しているらしい。
アトレチコを応援するもう片方が、「こいつはクレイジーなんだ」と言いながら仲良く記念撮影を依頼してきた。
他にも少しスペイン語を話すだけで、現地のサッカーファンと交流することができた。
スペイン旅行をしていて、最もスペイン語を使用した場所はおそらくこのスタジアムだろう。
チケットが非常に高価なのでスペインでのサッカー観戦はこれで終わりだが、地元の人との交流が楽しかったので、今度は別の国でもスタジアムに行ってみようと思う。