香港までの長い道のり
約1か月の旅がスタートした。
最初の目的地は中国の広州。
今回は特典航空券の有効活用と旅費の節約を心がけた結果、複雑なルートでの移動となってしまった。
まず、ANAマイルを21,000マイル消費して中国往復の特典航空券を発券。
これが広州イン、北京アウトとなっている。
燃油サーチャージが別途10,000円程かかったが、ヨーロッパ往復の特典航空券であれば60,000マイルと燃油サーチャージ約40,000円がなくなり、勿体ないので中国までにしておいた。
ちょうどキャセイパシフィック航空のマイレージもヨーロッパ片道分発券できるくらい貯まっていたので、香港を目指すことにしたのだ。
ただし、香港行きの特典航空券は取れなかったので、止むを得ず広州行きになってしまったのだった。
そんなわけで、まず広州に向かった。
朝10時に成田空港を出発し、12時過ぎに青島に到着、14時45分の広州行きの深セン航空に乗り継ぎしたのだが、この便は途中で南昌に止まり、1時間以上の休憩後に広州へ出発したため、到着は20時近くになった。
ちなみに広州の空港は、広州白雲国際空港という日本語で発音するとなんとも言えない名前である。
移動で疲れたためこの日は宿に直行し早めに寝ることにした。
広州市内を散策
翌日は7時前から市内を散策した。
昼過ぎには香港へ向けて出発したいと思っていたので、ゆっくり観光している時間はない。
まずは朝食を取り、宿に近い泮塘という古い街並みが残る地区を散歩してみた。
続いて代表的な観光地である沙面島、陳氏書院、西漢南越王墓博物館あたりを見学してきた。
沙面島は長崎の出島のような、外国人の居留地だったそうで、洋風の建築物が残っている地域だ。
陳氏書院はかなり細かい彫刻が施された建物が美しく、なかなか見ごたえがあった。
最後に行った西漢南越王墓博物館は、広州付近を統治していた南越国の王の墓を展示してあるところで、規模もそこそこ大きく、見学に1時間以上かかった。
かなり古い時代の文字が刻まれた展示物もあり、語学好きにはこちらの方が気になるかもしれない。
博物館の隣にある蘭州ラーメンの店で昼食を取り、香港へ向かうことにした。
本土脱出に思わぬ苦戦
香港へは広州南駅から昨年開業した高速鉄道で1時間程度で行けるので、まずは地下鉄で広州南駅へ向かった。
ところがチケットオフィスに行くと今日の便は全て売り切れとのこと。
近くにあったインフォメーションカウンターで相談すると、150元(約2,500円)で深センまでバスがあるとのことで、利用することにした。
実際に乗ってみるとバスというより運転手含め7人乗りの大きめの車であった。
広州を出発して2時間程度で到着したのは、深セン北駅。
ここからはどうやって香港に行けばいいのか見当もつかない。
駅周辺を歩いていると”COACH STATION”という看板が目に入ったので、中に入ってみることにした。
窓口の人にきくと、ここは香港行きのバスステーションとのこと。
100元(約1,700円)で香港の九龍まで行けると聞いて一安心。
本土脱出の目処はついた。
しかし、中国本土から香港へ入境するのにも相当な時間がかかった。
イミグレーションにはものすごい数の人がいて、果たしていつになれば通過できるのかと思うほどであった。
結局、17時に深セン北駅を出てから、香港の九龍まで3時間程度かかってしまったのだった。
思わぬ長旅で疲労が溜まったので、香港観光はほどほどに体力を温存して、ヨーロッパへ向かおうと思っている。
それにしても中国はほとんど英語を話せる人がいなくて移動が大変だった。
香港に入って何とも言えない安心感があるのは言葉の面が大きいかもしれない。